存在    ―2―
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世界がまだ一つだった頃 神は生命を遣わした
新たな世界で共に生きるために
だが生命は争いをつくりだす
神は選びし生命に力を与えた


土地を潤し、争いを鎮めるために王の一族には統治の力を
生命を守り、輪廻を正すために神の子にらに管理の力を
平和を願う、醜い魔の一族を哀れみ美しい姿を授けた


世界は繁栄し、進化を遂げた
魔の一族から発展し、新たな種族も生まれた
だが争いが絶えるわけではなかった

土地を奪い、兵器を作り、世界を壊す

これを行ったのは紛れもなく神が力を与えた王の一族であった


神はそれを嘆き、悲しみのあまり姿を消した
人々は象徴の証を失った


世界から光は消え絶望が残った
王達は己の力を一つにまとめた
神の子らは選びし魂をつかわした

彼らは新たな象徴、"輝く焔の神"を創りだしたのだ


王達は力を失い、血のみが統治の力をもつこととなった
だが彼らは新たな神を手に入れた

輝く焔は世界を照らし、希望は満ちる
光の力は瞬く間に世界に渡り、種族を発展させていった

だがそれも長くは続かない


人々は長い時を経て、輝く焔の神を魔女と呼んだ
そして殺そうとした
怒った彼女は己が力で世界を三つ、天地人に分け、呪を残した


神の子一人を天の世界へ
他の子らは人の世界に堕とし自らの新たな器を生み出す一族へ変えた


魔の一族は地の世界へ
美しい金の髪、瞳を禍々しい色に変え、
力が尽きても眠ることができない呪を与えた


人の世界の歴史は消去され
知識を制限した


だが女神はそれを許さなかった
輝焔の神を三つの石に封印し、三界に飛ばした
女神は哀しみながら眠った


神に見放されたこの世界
誰が救えるというのだろうか


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